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2006年6月

2006.06.26

蟲師「第二十六話 草を踏む音」

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 © 漆原友紀/講談社・『蟲師』制作委員会

2005年10月23日から始まったアニメ版蟲師も今回で終わり。全26話+αという2クール

構成で描かれた物語は、原作のテイストを尊重し、全くといっていい程ストーリーを変えない

演出で、とても好感が持てました。

東京アニメアワード2006にて、ノミネート作品 テレビ部門優秀作品賞と、個人部門 美術賞を

受賞した事からも、それがよく分かりますネ。

後に原作萬画も第30回講談社漫画賞で【一般部門】を受賞され、媒体が異る双方のメディアで

高い評価を得た事は、一介のファンである私にとっても嬉しい事でした。

ここからは本篇の内容。

「草を踏む音」は蟲師の世界における“ギンコの少年時代”に焦点をあてた所謂“過去話”の

一つであり、「第十二話 眇の魚」にて語られた頃の数年後を描いているエピソード。

蟲を寄せてしまう体質となった少年ギンコは、まだまだ幼い年令なのに自分の力だけで

生きていく方法を摸索しなければならなくなりました。そんなギンコを受け入れた者達が、

今回のメインキャラの一人「イサザ」が行動を共にする ワタリ という漂泊の者達。

全ての蟲を生み出す素「光酒(こうき)」が集まり河状になった 光脈筋 と共に各地を

移動していたワタリ達。その光脈から齎される豊潤な自然の恵みを受けつつ、山を敬い

守ってきた大家の息子「沢(タク)」。

ある日偶然、山中の滝壷でイサザと出会った沢は、自分のご先祖が買った山に他人が

出入りする事が気に食わず、当然のように『俺の家の山だ』と告げ、イサザが獲っていた

魚の数にケチをつけます。

この光脈を統制する存在 ヌシ かと思ったイサザは、沢の言い分を素直に受け入れ

魚を返します。後に沢が言う“主”とワタリが言う“ヌシ”の違いに気付いたイサザは、沢に

忠告しつつも“山を守ろうとする意思”に変わりはないと知り、誤解を解いて友達になるが‥‥。

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 イサザ少年も準レギュラーとなるキャラクターであり、後のエピソードではワタリ達を率いる
 リーダー格の青年へと成長した姿で登場する事に。 時代背景も良く練り込まれています。

接点が無さそうなギンコ、イサザ、沢の微妙な三人によって粛粛と語られる本エピソード。

物語は続いていく――。 そんな感覚を最終話に重ね合わせた選択だったのでしょうか。

「眇の魚」とも「筆の海」とも違う、アニメ版スタッフのセンスによる幕引きが、中中感慨深い

ものになりました。噫(ああ)、面白かったw

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<追記>

「スカパー !」「スカパー ! 110」「各種ケーブルテレビ」にて、蟲師の再放送が大決定ですッ !!

チャンネルは「フジテレビ721」で、1夜2話連続放送。6/28(水)09:00p.m.から「蟲師#1」として

「第一話 緑の座」と「第二話 瞼の光」が流れ、その翌翌日にも再再放送されるという椀飯振舞。

詳しくはコチラで。地上波放送分を撮り忘れたという方、大チャンス到来ですよ〜ノシ

【後書】

個人的に今後蟲師はOVAでシリーズ化するのではないか ? と読んでいます。 なので、

もしかしたらけっこう近い内に善い報せが届くかもしれないので、今回のレビューをもって

“おわり”とは断言しませんw そして、以前のレビューですが、もっと考察らしい構成を

目指して加筆&修正作業中。 お暇な時にでも見直してみて下さい。

2006.06.23

蟲師 「第二十五話 眼福眼禍」

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 © 漆原友紀/講談社・『蟲師』制作委員会

BS先行放送での蟲師も1話を残すのみ。地上波放送での最終話となった「筆の海」で

感じたような気持ちで、ラスト直前の本話「眼福眼禍」(がんぷくがんか)を観ました。

とある街道を歩いていたギンコは、そこで盲目らしき鳥追い * と出会う。

弾き語る内容が蟲の事象である事に気付いたギンコが話し掛けるや否や、半ば無理矢理に

宿をとらされ一泊させられる事になってしまう。

その夜、名乗った「周(あまね)」は予見していたかのような口振りと共に、一つの頼み事を

ギンコに告げる。その依頼とは、自分の眼になってしまっている 眼福(がんぷく) と

呼ばれる蟲を、両眼諸共山中に埋めてきてほしいというものだった‥‥。

邦画「解夏」などを鑑賞した事があれば、このエピソードのテーマである 失明 に関する

葛藤や苦しみなんかを想像できると思います。然し、今回のヒロインである周は、寧ろ

望んでいたりする。何とか違う処置法を探そうと足掻くギンコに反するかのように‥‥。

このテーマに対し、全く別の萬画作品で描かれた一つの解釈を思い出した私は、その内容と

対比しながら考察したりしました。僅か48頁で語った事が信じられない程、深いテーマです。

次回は遂にアニメ版蟲師という名の宴の最終回。原作第4巻 5話目に位置する

「草を踏む音」です。噫(ああ)、観たいような観たくないような‥‥ ( ´・ω・`)

 * 三味線に合わせて歌い、銭を乞い歩いた編み笠姿の女人の事。

2006.06.18

「ワンダと巨像」レビュー後記

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 © 2005 Sony Computer Entertainment Inc. All Rights Reserved.

最初の巨像を倒した時点で 殿堂入り 決定だと確信した本作、遂にクリアしました !!

激しくネタバレになるので詳しく書くのは避けますが、とりあえず、これだけ言わせて下さい。

風来のシレン、EVE、零 -刺青ノ聲-™などと同様、 感佩のラストシーンに

打ち震えましたッ !!

慣例化した情報過多を敢えて避け、プレイヤー自身の感性と想像力に委ねられた世界観。

親子、男女は勿論、ゲームを有害娯楽と罵る偏見層にも自信を持って薦められます。

クリア後、早速解禁という事で「ワンダと巨像 公式攻略&設定本 古えの地綺譚」も購入。

少女の名前が「モノ」という設定だったり、各巨像に対して開発スタッフ間での愛称があったりと、

読んでいて「そうだったの ?!」という要素が幾つかあったので、それも紹介したいと思います。

※ストーリーに係るネタバレは無い様に配慮していますので御安心をw

先ず第一に、アグロに関するアクションから。

跨った状態でR1ボタンを押しながらアナログスティックを上に入れると出来る「立ち乗り」。

走りながら巨像に飛びつく時などに使い、より高い位置に行けるというもの。

プレイ中に1回もやらなかったのですが、第13の巨像戦で重宝するアクションと言えるでしょう。

もう一つは同じく跨った状態でR1と△ボタンを押し続け、スティックを左右どちらかに入れると

出来る「横乗り」。

隠れながら移動する事で、巨像に見つからずに安全圏まで逃げたり接近したり出来るというもの。

然し同時に弓を撃ったりジャンプしたりする事も出来なくなるので、使いどころが難しいアクション

ともいえるでしょう(無理して使う事はないかも)。

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 立ち乗り中にも弓矢は使えるので、横乗りよりも利用価値は高いかな。

第二に、アイテムに関する豆知識。

ワンダの世界に点在する水場や丘周辺にある木には様様な形の「果実」が実っています。

全て共通で食べると『最大体力が上がる』(赤い棒メーター)という効果があります。

弓矢で撃ち落とした後に○ボタンで掴むと食べる事が出来るので、見つけ次第どんどん食べて

太りましょう(笑)。

もう一つは、山間や谷間等に棲息している「トカゲ」の秘密。

トカゲには計2種類が存在し、真っ黒なノーマル種と、尻尾の色だけが白い種がいます。

弓矢で胴体と尻尾の付け根の部分を狙い撃ちすると尻尾が取れ、それを拾って食べる事が

出来るのですが、ノーマル種はドラクエでいう薬草的な体力回復効果なのに対し、光る尻尾

には『最大腕力が上がる』(ピンクの円メーター)効果があるんです !!

しがみ付くというアクションが対巨像戦の肝となる本作において、このメリットは大きいです。

時間を掛けてでも全ての白トカゲを食べる価値はありますので、是非お試しあれッ !!

見晴台(セーブポイント)周辺に最低一匹は必ず棲息していて、食べた場所から一定距離

遠ざかり、尚且つPS2本体内で24時間が経過していれば再び白トカゲが復活しているので、

古えの地を探し回るのが面倒臭いという人は此方の方法を利用してみて下さい。

尚、スタート地点の祠でドルミンの声が聞こえてくる天窓周辺にもちゃっかり棲息しています(笑)。

第三はクリア後(2周目)の特典で、「ハードモード」と「タイムアタックモード」が追加されます。

初心者向けの難易度であったノーマルに反して、ハードモードはこれぞ“真の死闘”と呼べる

調整が加えられており、正に巨像パワー大爆発 !!

急所(ダメージを与えられる紋章部分)も攻め辛い位置に変わっているので、これまでとは

違った移動ルートを考え直さねばならないので緊張感も跳ね上がります。

正しく「矮小な人間 vs. 圧倒的脅威」の構図。個人的にはハードモードは大好きです。

タイムアタックモードはその名の通りですが、制限時間内に倒せた巨像の数が2体になると、

その都度1個づつ『隠しアイテム』が手に入り、本篇で使用出来るようになるという御褒美が。

中には「○○の矢」や「○○の布」なんていうとんでもないモノもあり、世界観がブッ飛びます。

この辺りはバイオハザードなんかと似ているお楽しみ要素なので、やり込みプレイと合わせて

ヘビーユーザーにも長く楽しめるゲームだと言えます。

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 全14種が用意されている隠しアイテム。ちょっとややこしいですが、2周目ノーマルモードの
 タイムアタックで手に入るのは8種までで、残りの6種はハードモードをクリア後の2周目で
 ハードのタイムアタックをクリアする事でやっと全種が揃うように。
 詳しくは↓の表で。

加えて、これらのタイムアタックで有効となるテクニックとして「ジャンプ刺し」(ジャンプ降下中に

R1+□ボタン)が挙げられます。

ゲームスタート時から普通に使える攻撃アクションなのですが、実際のプレイ中は巨像から

振り落とされない様にしがみ付くのに必死で、あんな足場の悪い状況でジャンプするなんて

思いもしませんでしたが、このジャンプ刺し、最大まで溜めた「剣を突き刺す」攻撃と同威力で

あるにも係らず、名前の通りジャンプ中のアクションなので『タメの時間が必要ない』のです。

という事はつまり、暴れる動作が大きい「小型四足獣タイプの巨像」や、「一定時間(体力の減少)

で隠れ始めてしまう巨像」でのタイムアタックでは大幅な時間短縮が見込めるという事。

このジャンプ刺しで行う「せつない最後の一撃」も含め、未経験の方は是非一度御試しあれ。

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 特に、やり込みプレイヤーによる「ワンダと巨像 巨像別最速撃破動画」は一見の価値有り !!
 第5、第11、第13の巨像にて叩き出された驚異のタイムに、私のカツラは5cm浮きました。

第16の巨像戦に突入する直前からエンディングに至る迄のストーリー。

ここに込められたメッセージは、心臓をグッと掴まれるかのような『痛み』が伴いました。

ワンダとモノ、そしてアグロ。

巨像たちとドルミン。

エモンといにしえの剣。

全ての真相と共に進んで往く“結末”。

是非アナタ自身の目と耳で体験してみて下さい。きっと忘れられないゲームになる事でしょう。

最後に、ワンダが魂のGAMEになった私は、同じプロジェクトで開発された『ICO(イコ)』という

アクションADVをプレイ中です。

世界観を共有しているらしいので、ワンダをプレイしようと思った方は、私とは違うパターンとして

ICOを最初にやってみては如何ですか ?

こちらもほぼ殿堂入りは確実だと自覚しているタイトルなので、損はしないと断言出来ます。

ワンダもイコも、間違いなく ホンモノ ですッ !!

                    ワンダと巨像®
             (アクションADV SCE PlayStation
®2)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 <参考文献>

 「secret_of_watc.txt」をダウンロード
 ※クリア後の隠し要素を載せたテキストなので、知りたくない人は御注意を。

2006.06.16

蟲師「第二十四話 篝野行」

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© 漆原友紀/講談社・『蟲師』制作委員会

里に現れたのが新種の蟲らしいという噂を元に、見慣れぬ風貌の蟲師が調査に訪れた。

話をしてみると私の事を著書と合わせて知っていた様子で、若いながらもかなり精通した

同業者だった。 一往(いちおう)これまでの経緯を伝えてはみたが、どうにも男は納得が

いかなかったらしく、里の皆に対してまでも異を唱え始めた。

‥‥私は今、「ギンコ」と名乗ったその男が危惧していた忠告を噛み締めている。

腑の中に ヒダネ を宿し、その芽の草を吐きながら――。

「第十八話 山抱く衣」と同様に、オープニングフィルム・カット演出から始まったこのお話。

テーマは 罪と罰 になるのでしょうか。 本話のヒロイン「野萩(やはぎ)」の視点で進む

エピソードです。

今回対峙する蟲「ヒダネ」と、そのヒダネが潜む蒼白い炎状のモノ 陰火(かげび)

元ネタは言わずもがな。 日本人なら誰でも知っている心霊現象「火の玉」ですね。

火をモチーフとする妖怪や故事はとても多く、古書「画図百鬼夜行」も例外ではありません。

特に「陽」や「晦(つごもり)」の画集に集中して描かれていますが、それらを総称した名を

陰火(いんか) とする向きもあるようです。 その説明は萬画家 水木しげる氏の著書

「[図説] 日本妖怪大鑑」に詳しく、全国で百種類を超える火の妖怪は「陽火(ようか)」と

「陰火」に大別され、後者は触れても熱さを感じず燐光の様に光るのみで、それ自体は何の

影響も及ぼさないが、幽霊や妖怪が出現する前触れとして現れる前座的なモノでもあり、

陰気な雰囲気を醸し出す白または青白い色が多く、とぼとぼと燃えて心寂(うらさび)しい

モノなのだそうです。

本作のヒダネ(陰火)は、これらから最もオーソドックスな古戦場火(こせんじょうのひ)や

提灯火(ちょうちんび)などを意識したのではないかと思いますが、冒頭のナレーションから

察すると、前者が近いかなと思っています。

誰より故郷の里と其処に住む人達の為、蟲師としての責任を果たしてきた野萩。 しかし、

そのプライドが仇となり、ギンコをして「しつこいぞ」と言わしめた陰火を繁殖させてしまいます。

「ぬい」は言っていた。 恐怖心は知恵で克服しろと。 己を乗り越えずに他者を排除すれば

全てが解決するというのは浅知恵だ。 自分達しか愛せないのか。 そんなにヒトは偉いのか。

昆虫にも獣にも石にも草木にも、それぞれに同等の命がある。

生態系とは全てがあって成り立つもの。 草木が無くなれば生物は育たず、呼吸も出来ない。

おけらだって、水虫だって、みんなみんな生きているんだ友達なんだぞ !!

当たり前の事を見失っている野萩や里の大人達の姿に、自戒を感じた物語でした。

次回は同じ第5巻の2話目、「眼福眼禍」。 遂にラスト2話に突入です‥‥。

<設定解説>

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陰火を捕らえる際に投げていたのは 蟲ピン と呼ばれる道具。 「緑の座」にて初出
した蟲師御用達のアイテムで、主に弱弱(よわよわ)しい蟲を捕獲する際に使われる。

<元ネタ推測>

鳥山石燕 画図百鬼夜行 晦 「古戦場火」

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一将(しやう)功なりて万骨かれし枯野には、燐火(りんくは)とて火のもゆる事あり。
是は血のこぼれたる跡よりもえ出る火なりといへり。

≪ My Resonance Episode ≫

2006.06.11

蟲師「第二十三話 錆の鳴く聲」

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 © 漆原友紀/講談社・『蟲師』制作委員会

何よりも先にこれだけ言わせてください。題字に使用されている「錆=さび」の字は、

金に青(下が月)ではなく 金に靑(下が円)の「金靑=さび」 ですので!! 

番組ウェブサイトでもこの字は変換できない様子で、JPEG画像にて表現しています。

23mushi4sabi←これですね。

海と山に囲まれた寒寒しい村に訪れたギンコは、人人の身体、家屋、木木を問わずに

侵されているサビらしき奇病の調査を始める。

そんな中、村人との接触を避けるかのように口を閉ざしながら暮らす「しげ」という娘を知る。

奇病の原因ではないかと疑われているしげ一家を庇う「テツ」と共に調べを進めた結果、

サビが単なる酸化物ではなく 野錆(やさび) という蟲だと判明するが‥‥。

最も気になっていた箇所は、少女「しげ」の“小柄な体に似つかわしくない、太くかすれた、

けれど、甘く渋みのある残響を持つ、不思議な響きの声”をどういう演出で再現するのか?

だったのですが‥‥。音響監督、たなかかずや氏の業によって見事なまでに原作の説明

通りのVoiceになっていて感動しました!!

文章で伝えることも勿論できるんですが、それは野暮ってモンですね。是非本篇で!!

ここから先は余談ですが、このエピソードに対する印象を強く持つようになった契機は、

冒頭で述べた通り「金靑」という旧漢字をWindows®インターネット上(IME2000)で再現

しようとして出来なかった不満があったからでした。

そんな時、とてもよく似た事をテーマにした意匠家兼執筆家、京極夏彦氏のインタビュー

ネットサーフィンで見つけました。

細かいかもしれないが、作品を彩る一要素に対する拘りに、共通するモノを感じたんですね。

次回は第5巻4話目の「篝野行」。「眇の魚」における“ぬい”の教訓に繋がるテーマです。

2006.06.09

PS2「ワンダと巨像」SCE

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 © 2005 Sony Computer Entertainment Inc. All Rights Reserved.

ファイナル○ァンタジーⅫ(未クリア)を売り、そのお金で「ワンダと巨像」を買っちゃったw

昨年の夏、運命の出合いを果たした傑作和風ホラーADV「零 -刺青ノ聲-™」のおかげで

新たな物をやりたいという欲がほぼ出なかった時期が続いていたのですが、実はプレイ

する気満満だったのがこのゲーム。

昨今の新作ソフトは、上上の売り上げを記録したタイトルを「BEST版」と名付けて再発売する

傾向がある為、ワンダもそうなると見越して実は我慢していました。

で、予想通りBEST版が発売されたので、中古ソフトの価格が低下。BEST版定価よりも安い

新古品が見つかり、やっと体験出来ました。

このゲームをプレイしたいと思った動機。ズバリ 徹底した潔さ に惚れたから。

普通この手のファンタジーアクション物は、国や文化、種族や歴史、キャラ設定などの

情報(舞台装置)を膨大かつ緻密に創造することによって、ドラマやシステムに「厚み」を

持たせます。

然しワンダは、それらの設定を極限まで削ぎ落としていて、有り得ない程のシンプルさで

完成していたのです。

先ずストーリー。

青年ワンダは遺骸となった少女を甦らせるために、古えの地に存在する祭壇に辿り着く。

「全ての巨像を倒せば願いを叶えよう」という天の声に従い、愛馬アグロを駆るワンダと、

陸海空に潜む巨像たちとの孤独な闘いが始まった‥‥。

たったこれだけ。

ほんの2〜3行の文章解説なのに、テーマが見事に伝わります。

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 主人公ワンダ。いにしえの剣を携え、世界の何処かにいる巨像を目指す。

 01wac05mono
 遺骸の少女。ワンダが巨像を倒すたび、虚無の世界から少しづつ意識が‥‥ ?

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 愛馬アグロ。もののけ姫のアシタカ宜しく、人馬一体の馬上弓撃ちが可能。

次にシステム。

ワンダの武器は一振りの剣と弓箭(きゅうせん)のみ。爆薬も大砲も魔法もありません。

己の身体だけで巨像に挑むんです。

矢は本数に制限がない代わりに、あくまでも牽制にしか使えず、遠距離からチクチク攻める

といったチキン戦法はとれません。然し弱点を崩す為の重要なウェポンとなっているので、

愛馬アグロと同様、欠かせません!!

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 あらゆる行動の要となる“いにしえの剣”。フィールドでかざすと向かうべき場所に光が射す。
 巨像の体には“弱点”と“急所”の二種類 * が必ずあり、幾つかある弱点を攻め落として「道」を
 切り開いた後に急所(紋章状に光る場所)へと進んでゆくのが基本パターンとなる。
 第1の巨像でいえば左足脹脛の古瑕が弱点で、頭頂部の光る紋章が急所という事。
 また、第2の巨像でいう足裏の様に発光しているものは判別し易い反面、第12の巨像の様に
 剣を装備して近付かないと反応が見られないカモフラージュ的な弱点も存在する。

 * 説明書では「弱点」としか示されておらず、ゲーム開始後のチュートリアルでは「急所」と記されるなど統一
  されていない為、この区別は当ブログにおける解釈。

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 有効且つビジュアル的にも恰好良い弓箭。2周目以降は更なる種類を入手可能に?!

最大の見せ場は、なんといっても巨像との戦闘。

しかし一見して分かる通り、ワンダとの体格差は歴然。

はっきりいって‥‥

剣 で ど う に か な る レ ベ ル じ ゃ な い ッ !!

人型タイプの巨像なら足の腱を狙うなどして何とか部分的に攻められるけど、鳥タイプや

海蛇タイプだとそうはいかない。

 荒ぶる邂逅 〜巨像との戦い〜.mp3
 

それでもワンダは挑む。縦(たとえ)空を飛べなくとも!!

「どうすれば接触できる?」

                 「あれは足場じゃないのか?!

                                     「地形で利用できるものは?!

あらゆる蓋然性を考え、試し、失敗し、別の方法を摸索する。それがワンダの戦闘なんです。

スニークアクションにトライ&エラーを融合させたようなバトル。

単なる風景だと思ってしまう石柱や土壌にも意味がある。

ワンダ=アナタにはあって、大いなる巨像にはないもの。

それは 知恵と勇気!!  

臆(おく)する=勝利は無い、素晴らしい発想ですッ!!

 反撃 〜巨像との戦い〜.mp3
 

 

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 飛行タイプ(鳥型)の巨像。空を飛ぶ相手に対し、アナタならどうやって闘いますか?
 因みにガルーダ風のモノもいれば、ナウシ○に出て来たような羽虫風のモノもいます。

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 海蛇タイプの巨像は正にドールの湖に蠢くリバイアサンそのものッ!! ‥‥恐いよぅ。
 キャプでは分かり難いんですが、ワンダが立っている石柱は鉄塔を軽く越す高さなので
 この巨像の全長が想像できるでしょう。倒すには湖に飛び込むしかありません(滝汗)。

何とか倒した巨像の残骸からは無数の黒い影が伸び、満身創痍のワンダを突き刺す。

それはまるで人間一人の生命を生贄とする等価交換のようで、少女の復活が近い事を

予感させつつも、抗うことのできない悲劇が待っているような気がしてなりません。

矢張(やはり)というか期待以上というか。この出合いもまた“運命の道セッティング”。

現在 第9の巨像を倒したところですが、エンディングを待たずとも殿堂入り大決定。

次回はクリア後に綴った「ワンダと巨像」レビュー後記

“せつないad”で気になった方も。観るだけじゃなく、是非体験してみて下さい〜ノシ

                    ワンダと巨像®
             (アクションADV SCE PlayStation
®2)

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