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2008.02.21

「零 -刺青ノ聲-」レビュー後記 vol.3

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 © TECMO, LTD. 2005

遂に発表されたシリーズ最新作 零 月蝕の仮面™の情報が飛び交う今日この頃、

三回目となる「零 -刺青ノ聲-™」レビュー後記をアップ。  |o| フハッ

今回は劇中に登場するノンフィクション作家であり主人公の一人、天倉螢に因んだ小道具

について語る旁(かたがた)、新たに発見された小ネタ等も御紹介したいと思います。

そこでテーマを 「手紙考」 「鞄考」 「些事考」 としました。

一、手紙考

当作(刺青ノ聲)は、時代設定的に存在しても不思議ではない「携帯電話」を敢えて登場

させない演出になっている。勘の鋭いプレイヤーの皆様なら同意してくれると思いますが、

その真意は(恐らく)“不便感の恐怖”の為だと推察出来ます。便利な道具(つまり近代

科学機器)を態と使わせない事で有事の際の対処法を制限し、心身共に余裕を無くさせる

意図なのでしょう。電子メロディーと黒電話のコール、どちらがかかってきてドキッとするか。

誰かに助けを求めたい時、叫び声をあげるしかない状況なら、孤独感はどちらが上か。

それらを読める様になって来ると、さり気無い好演出だと気付くのが「螢からの手紙」。

ゲーム上の演出では「便箋に縦書き」ではないものの雰囲気の助長に一役買っていて、

読み進める事自体に“ゲームという娯楽の肝=双方向性”が生まれている。

そんな訳で私は最近、手紙(と同時に直筆の文章)というモノを見直しています。

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 尺牘(せきとく)は書く事に意義がある。作法は二の次で善い。

二、鞄考

物語の終盤には、螢が愛用している「鞄」のグラフィックを確認出来る機会が訪れます。

私に至ってはここ数年、100円程度の安価なエコバッグを常用していた為、鞄らしい鞄を

持たない(使わない)生活が続いていたのですが、困った事が起こりました。

日用雑貨又は食料品を入れるだけなら充分でしたが、保険証、通帳、実印等の貴重品を

持ったまま、施錠出来ない部屋で数泊しなければならない事態に。後悔、先に立たず。

という訳で、相応の鞄を所有する必要に迫られました。

そこで螢の鞄を参考にしてみます。定番とは云い難いクリーム色ですが、形状から判断

するに「差込錠付きブリーフケース」。レザー製でもある様子で、悪くないデザインです。

これだ!! という逸品に中中出合えない日日が続いていますが、根気強く鞄専門店を行脚

して、一生モノとはいかなくても末長く愛用出来そうな物を選ぼうと思います。

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 当作を問わず、こと服飾雑貨になると架空娯楽を参考媒体にする事が多い私。
 これもある意味で“やり込み”の結果である。

三、些事考

プレイヤーの蒐集癖を刺激する為の舞台装置でもある浮遊霊、地縛霊等の演出の他に、

本作では「心霊現象」(或いは演出霊)というモノが存在するのは周知の通り。

触れてもいないのに人形が落ちる、勝手に襖が閉まる、何処からともなく聲がする‥‥。

たとえば「あそこにある物をこれから動かす」事が分かっているなら、ドキッとする事は無い。

しかし、その「約束」が起こらずに、突然足首を誰かに摑まれたりする「裏切り」が起こったら。

――という所まで「自らの脳内で想像(憶測)しながらプレイしてしまう」事を指して、開発者は

“想像する恐怖”と表現しました。

イメージを膨らませよう。判断を人に任せない様にしよう。納得する迄調べ続けよう。

思考力の限界に達した時にだけ訪れる“閃”――。

この瞬間こそが、ゲームならではのホラー・エンターテインメントの真髄では。

自らの手で迎えた臨界の先にのみ、“挑んだ者だけが味わえる蜜”が待っているのです。

それを誰かや何かに託してはいけません。

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 たとえば六ノ刻における些事の私見。眠りの家 1F 御神木の箱庭の四隅には、強制戦闘怨霊
 「刺青が刻まれた男」と連動消滅する竹串に刺された青白い藁人形がある。
 次に周辺(眠りの家 1F 箱庭を囲む回廊)の御神木段差付近の崩れた土壁前を通ると、子供の
 声のようにも聞こえるペチャクチャという音が鳴り響くという怪現象が起こる。
 単なるバグかもしれないが、私が推測するに、前述の守谷家番匠の青いものを含めた多くの
 赤い藁人形からの残留思念を、直前の刻で入手したばかりの「霊石ラジオ」が微かに受信
 しているという演出ではないだろうか。つまり、“新アイテムを早速使った些事”という訳だ。

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 当ブログに通って下さっている、Handle「321零」様が大発見なされた心霊現象が此方。
 終盤 十一ノ刻、第二夜で氷室邸 1F 座敷牢を訪れたら、大きな鏡をFM(ファインダーモード)で
 凝視してみよう。あまりの戦慄体験に、拙者カツラが8cm浮いたで御座る。
 このネタは公式完全攻略本「導魂之書」にも記載されていない正真正銘のスクープです!!
 ここに至る迄数百時間単位で浪浪したであろう氏の精神には、紛れも無い“愛”を感じずには
 いられません。

という様に、優れたゲームには“プレイヤー次第で膨らみ続ける蓋然性”が広大に埋蔵

されているものなのだ。

その事に気付かせ続けてくれる刺青ノ聲。値段以上に楽しませてもらっている。

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